カップウィズハンドル

テクニカル

 

チャート上に現れるコーヒーカップのような形をしたチャートパターンのことをいい、下降トレンドから上昇トレンドに大きく転換するパターンです。

Aを上にブレイクして、そのまま上昇するのが理想的なカップウィズハンドルのパターンです。しかし、BとCのようにもみ合いになることもあります。

Bの場合は、直近の高値を上抜けた後に頭打ちになってしまい、ネックライン付近が上値抵抗線として意識されてしまったケースです。また、Cの場合は、Bから下落し、再度反転したパターンです。

相場全体の雰囲気が悪いと、A付近が一旦利益確定のポイントになってしまい、BやCのような持ち合い相場へ移行する可能性もあります。Aを勢いよくブレイクするかしないかは、全体の地合いや、その銘柄の出来高を見て判断する必要があります。

 

IPO銘柄でよく見られるパターン

下図は、カップウィズハンドルを形成し、その後、株価が強い状況をイメージしたものです。これは、新規上場して間もないIPO銘柄によく現れるパターンです。

  • IPO銘柄によく現れるカップウィズハンドルの例

なぜIPO銘柄に、このカップウィズハンドルの高値ブレイクのチャートパターンが発生しやすいかというと、上場時の高値(上場来高値)を上回ると、上値となる節目がなくなって株価が軽くなり、どんどん上昇する傾向があるからです。ちなみに、このような株価の状態を、「青天井」といいます。

 

下図は、新規上場後に株価が低迷して上昇トレンドへ転換した後にネックラインを超えてきて、一旦株価が調整局面に入ってもみ合いになるケースです。

  • ネックラインをブレイク後にボックス相場を上放れするの例

その場合は、Bのようにもみ合いの中での高値が上値抵抗線として意識されます。

その後、株価が強いIPO銘柄の場合は上値抵抗線のBを超えてきて、さらに一段高するケースがあります。この値動きを見逃さないようにするためには、一度カップウィズハンドルを形成した後に、毎日チャートでチェックする必要があります。

 

3.カップウィズハンドルの注意点

カップウィズハンドルは株価上昇の強いサインになりますが、カップの底を形成した後の上値抵抗線までの上昇の過程で息切れをして弱くなり、下降トレンドに入ってしまう場合があります。

高値をブレイクできずにこのようなケースになってしまうと、株価が調整する期間が長引いてしまうことがあります。もし高値をブレイクする前に買っていた場合は、一度損切りをして仕切り直すことをおすすめします。

・下落トレンドの終盤になると、底を打った株価が徐々に上昇に転じてきて一度出来高を伴った上昇を見せる。(・・・①の箇所)

・そのまま上昇するかと思わせるが、一度跳ね返される(・・・②の箇所)

・跳ね返された後、コーヒーカップの取っ手の位置にあたる、下落し続けるわけではない、少しのもみ合いの期間を経て(・・・③の箇所)、再度②の高値を突破していく(緑の丸で囲った箇所)

というチャートがカップウィズハンドルの典型的なチャートパターンとなる。

緑色の丸で囲った位置が理想的エントリーポイントである。

 

理想的出来高の推移

カップウィズハンドルのチャートパターンを見つけた際は是非、買いでのエントリーを狙いたいが、出来高にも注意することで、より精度をあげられるだろう。

理想的出来高の推移
①の箇所で徐々に出来高を増やしていき
②で出来高も一度天井を打つ
③の部分では出来高減少というのが理想的な推移だ。

そして、最後の緑の丸で囲った箇所、つまり高値を突破するときに大きな出来高を伴ったらかなり理想的な出来高推移、買いエントリーを検討したいカップウィズハンドルの典型パターンといえる。

 

応用もアリ!

カップウィズハンドルは、下落相場の終盤、安値圏で現れるチャートパターンとして紹介されているケースが多いが、応用するのも良いだろう。

例えば、あなたがたくさんのチャートを見て学習していくと、きっと新高値を取りに行くケースでのカップウィズハンドルのチャートパターンの多さに気付くはずだ。

一気に上昇すると見せかけて一旦天井をうち、高値掴みをしてしまった投資家の狼狽売りや、前から保有していた投資家の利益確定売りをこなし(ふるい落し)、取っ手の箇所を形成する、そして、その後出来高を伴って高値を突破して株価が上昇していくケースは本当に多い。

また、カップウィズハンドルを逆さまにして空売り時のエントリーポイントに使うといった応用もアリかもしれない。

引用元:投資の教科書

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